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「車中の出来事」原作あらすじネタバレ!#世にも奇妙な物語

      2016/10/09

      

10月8日に「世にも奇妙な物語’16 秋の特別編」が放送されました。

今回の作品は「シンクロニティ」「貼られる」「捨て魔の女」「車中の出来事」の4作品です。

どれも傑作でしたが、中でもトリを勤めた作品「車中の出来事」に注目が集まっているようです。

原作は我孫子武丸著の短編小説「たけまる文庫 謎の巻」に収められている「車中の出来事」です。

原作者のミステリー作家、我孫子武丸さんはコミカルタッチのものからシリアスな思いテーマのものまで幅広く執筆しており、小説以外にもゲーム「カマイタチの夜」シリーズのシナリオを手掛けるなど小説以外の場でも活躍されています。

 

今回の作品「車中の出来事」は、登場人物は少ないものの、ラストまで本当に展開が分からない作品となっています。

原作を読んだ方の中にも「結局犯人は誰だったの?」という方も多いようです。

 

それでは早速、原作のあらすじネタバレを見ていきましょう。

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世にも奇妙な物語「車中の出来事」あらすじ

世にも奇妙な物語の2016年秋の特別編で放送される「車中の出来事」。

時は昭和30年代後半、舞台は走る列車の中です。

列車の最後尾に乗り合わせた3人の男を中心に物語は進んでいきます。

猪首の男と隣り合わせに座る優男。彼の前に座ったのがキザな男。実は猪首の男が警察で優男は護送されている途中だったのだ。

この3人が実はある麻薬取引を巡る事件と大きな関連があるらしい。

3人の化かし合い、駆け引きの中から真実をたぐりよせていく。最後の最後まで先が読めない!真実がわからない!

世にも奇妙な物語HP

今回主演を演じるのはキザな男役の北村一輝さん。

刑事の猪首(いくび)の男を演じるのは杉本哲太さん、優男を演じるのは古川雄輝です。

ちなみに、猪首とは首が太くて短いという意味だそうです。

 

北村一輝さんと杉本哲太さんという実力派大物俳優が魅せる化かし合いは、世にも奇妙な物語の中でも名作として語り継がれる作品になるのではないでしょうか?

 

世にも奇妙な物語「車中の出来事」原作ネタバレ

原作の舞台は深夜の東京行きの上り各駅停車の最後尾、人気のない車両。

ツイードのスーツの上にバーバーリーのコート、ポマードで一筋の乱れもなく髪を撫で付けた男が乗車してくる。

車両の中には先客が3人。

ツイードの男が乗り込んだ最後尾の入口付近には酒の臭いをぷんぷんさせた労働者風の男が眠り込んでいる。

一番向こう端には二人の男がこちらを向いて並んで座っていた。

 

ツイードの男は労働者風の男の横をしかめ面をしながら通り過ぎ、二人の男の近く、でも、あまり近すぎない席の通路側に座った。

進行方向側に座ったので、二人の男の片方と向かい合わせに座っているような形になった。

向かい合わせになっている下駄のような顔をした猪首の中年男が無遠慮にこちらをジロジロと見てくるので、軽く会釈したが、猪首の男はぷいっと顔を背け、窓のほうを向いてしまった。

 

ツイードの男がバックの中から文庫本を取り出し読もうとすると後ろから車掌がやってきた。

「切符を拝見」

車掌に切符を見せ、車掌が立ち去ると、男は持っていた文庫本を放り出し、立ち上がって前に向かって歩き始めた。

その様子を見ていた猪首の男が、ちょっと警戒するような表情になる。

ツイードの男が近づいていくと、窓側に座って外の景色を見ていた男がちらっと顔を向けた。

窓側の男はまだ30代手前の優男だが、無精髭をはやして疲れた表情を浮かべていた。

男は両手をひざに揃えておいていて、その手を隠すようにコートがかけられていた。

ツイードの男は首を傾げたが、そのまま通り過ぎ、トイレで用を足した。

 

元の車両に戻り、ちらりと二人連れの様子を伺うと、まだ窓側の男の腕にはコートがかけられている。

ツイードの男は二、三歩通り過ぎてから振り向いて訊ねた。

「ぶしつけですが、あなた刑事じゃ?」

訊ねられた猪首の男はぎょっとした顔で見上げる。

「・・・・アンタに関係ないだろ」

「そうなんでしょ?確かに僕には関係ない事ですけど、同業者が勤務中とあらば声を掛けてもバチは当たらんでしょう。今、僕はプライベートですけど。」

なんとツイードの男は刑事だという。

しかし猪首の男は不審そうな表情を崩さず、ある事件の犯人を護送中で危険だから離れていろとツイードの男を突き放す。

ところが、ツイードの男は忠告を聞かずに自分の荷物を持って通路を挟んだとなりの席に座ってしまう。

「おい、離れていろといったろ」

猪首の男は苛立ちを隠せない様子だが、ツイードの男は気にする様子もなく「ここなら窓側の男の手は届かないし、万一の時だって助ける事が出来るかもしれない」と席から離れようとしなかった。

 

そんな二人のやり取りを聞いていた窓側の男が口を挟む。

「なあ、あんた。あんたも警察なら聞いといてくれよ。」

窓側の男は指名手配犯に似ていると逮捕されてしまったが、他人のそら似だと主張する。

その話を聞いたツイードの男は少し考え込み、指をパチンとならし

「俣野昇!こいつ俣野昇だっ!」

と窓側の男の顔に指を向き指す。

窓側の男はうんざりした表情で「だから他人のそら似って言ってるじゃないか」とうなだれた。

 

俣野昇という指名手配犯には麻薬密売と警官殺害容疑をかけられている。

5日前に麻薬取引の現場に警察が踏み込み、俣野の仲間は一人は射殺され、一人は逮捕されたが、俣野は警官を2名殺し、麻薬と金を両方奪って逃走したというものだった。

 

「それにしても気の抜けたような男ですね。こんな男があんな豪胆な事をするなんて意外だな。でもまあ、小心者だったから逃げ足が早かったのかもしれませんね。」

「なんだと?俺が小心者だっていうのかよ?!」

ツイードの男はニヤリと笑って「僕が言っているのは俣野昇のことですよ。あなた俣野昇じゃないんでしょ?」というと、窓側の男はしまったというように口をつぐんで顔を背けた。

 

「しかしこれほどの大事件の犯人をたった一人で、しかも列車で護送とはめずらしいですね?」

ツイードの男は、俣野が逮捕されたというニュースも聞いておらず、護送に相棒も連れていないのはおかしいと、猪首の男が本当に刑事なのかと言い出した。

本当に疑っている訳ではなく、暇つぶしのゲームだと断って、ツイードの男は話を続ける。

警察が総力を上げ俣野の行方を追っている中、手配写真がそこら中に貼られている俣野が移動するとしたら、刑事に捕まって護送中ということにするのが一番怪しまれない方法なのではないか。

それなら車掌や一般人に通報される心配はない。

逮捕された俣野の仲間の証言から、俣野と射殺された永田継男の他に、陰のリーダーがいるという。

射殺された永田以外は陰のリーダーと会った事はなく、誰も顔も名前も分からない。

その陰のリーダーが麻薬と現金を取り戻すために、刑事役になり、俣野の逃走を手伝っているのではないかというのだ。

 

ツイードの男は続けて窓側の男を脅し始めた。

顔も名前も知らないリーダーなら、俣野のことなんて仲間とは思っていない。

麻薬と金の隠し場所を聞き出して殺すだろう。

もし本当に人違いだったとしても、顔を見られて邪魔なだけの存在なのだから殺すだろうと。

「人違いで逮捕されて人違いで殺されるなんて冗談じゃねえ。本当にこいつ刑事じゃないのかよ」

窓側の男は喚きだした。

 

「がたがた騒ぐんじゃねえ。こいつはただの暇つぶしのゲームだ。そうだろ?」

猪首の男にそう言われ、ツイードの男は満面の笑みでうなずく。

「でもアンタの説は矛盾してるよ」

猪首の男は、バカなチンピラだって陰のリーダーに見つかれば殺される事くらいわかっているのに、リーダーのシナリオに簡単に乗っかるとは考えられないという。

 

しかしツイードの男は、俣野は警官2名を射殺していて捕まれば死刑の可能性も高い、そして何より取引相手だった大川組の連中は自分達の金を奪われ、手下は全員逮捕。

俣野のグループも無傷ではないとは言え、麻薬も金も奪って逃げたとなれば俣野を見つけ出し隠し場所を聞き出したあと切り刻んで魚のえさにされるのは確実で、俣野としては四面楚歌。

藁にもすがる気持ちになっていてもおかしくはないという。

「あるいは俣野が警察に密告したという可能性もありますが」

取引相手の大川組は6人。その6人がなす術もなく全員逮捕され、俣野の仲間も二人共逃げられなかったのに、俣野は金と麻薬両方を持って逃げる余裕があったのは少しおかしいのではないかというのだ。

 

「こいつがたれ込んだ?」

猪首の男が睨みつけると窓側の男は「俺じゃねえよ。だいたい人違いなんだから」とぶるぶると首を振った。

 

「しかしあんた、捜査に関わってない割りに何でも良く知ってるな」

「そりゃあ、これだけの事件ですから嫌でも耳に入ってきますよ」

「それにしちゃあ、腑に落ちないことがある」

今度は猪首の男が、ツイードの男が最初に窓側の男を俣野だと気づかないふりをして近づいてきたのには、何か訳があるのではないかと疑い出した。

ツイードの男が陰のリーダー、あるいは大川組の若頭・能瀬翔一で、金と麻薬を手に入れるために、猪首の男を殺して俣野を奪おうとしているのではないかと。

 

猪首の男の話では、大川組には切れ者の若頭がいるという。警察に顔写真は一枚もなく顔はわからないが、洒落者で服はいつも英国製のブランド物、ドイツ車が嫌いでジャガーにしか乗らないらしい。

「へえ、趣味が合いそうだ。― そのジャガーって発音は気に入りませんが」

「ふん、アンタに似て嫌みな野郎だろうよ」

その若頭が情報網を使って護送の情報をキャッチし、俣野に大川組と知られて逃げられないように、一人で刑事を装って近づいてきたのではないかという。

 

ツイードの男は反論の言葉を考えているようだったが、降参したというように両手のひらをあげた。

「なるほど。僕が本物の切れ者なら反論できたでしょうが、僕には荷が重すぎるようだ」

「じゃあ、自分が能瀬翔一だと認めるのか?」

「まさか!あなたの仮説も僕の仮説と同じくらい辻褄が合っていると認めただけです。なにしろこれはゲームで、僕もあなたも本物の刑事なんですから」

「ほう、やっと本物の刑事だって認めてくれるのか」

実はツイードの男は、始めから猪首の男が水上署の平田巡査部長だと知っていたと言うのだ。

 

猪首の男はすっと目を細め、ツイードの男を改めて観察するように見回した。

「・・・ほう。なら、これまでの茶番は何だったんだ?」

「だから暇つぶしのゲームですよ」

猪首の男は疑いを緩めず、実はツイードの男も捜査関係者で、よっぽど手柄を立てなければいけない事情があり、手柄を横取りしようと列車に乗り込んできたのではないか。あるいは、刑事だって人並みに欲はある。金と麻薬が欲しくて俣野を奪いにきたのかもしれないと。

 

しかし、ツイードの男も反論する。

「それを言うならあなただって怪しい。たった一人で相棒もなしで護送するなんて」

実は猪首の男の相棒は事件で射殺された警官の一人だった。

それでもツイードの男の追求は続く。

猪首の男は相棒が撃たれたところを見ていなかった。線条痕も現場にいた者が持っていた拳銃とは一致しなかったものの、警官の銃とは照合していない事から、今現在、事実としてはっきりしているのは、「俣野が逃げた・警官が二人射殺された・金と麻薬がなくなった」という事だけなのだ。

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ツイードの男は、今度はおとぎ話として話を続ける。

あるマル暴の刑事が、情報の代わりに犯罪を見逃したり、犯罪者と持ちつ持たれつの関係の中で、ガサ入れの情報を流す代わりに小遣いを受け取ったりと汚職に手を染めていく。

ここまではよくいる汚職警官の一人だが、その刑事は欲を出し、押収品を使って麻薬取引に手を出す。そのうち押収品ではもの足りなくなり、永田に麻薬を密輸させるようになる。しかし段々取引の規模が大きくなるにつれ、その刑事は怖くなってきた。

ところが永田はまだまだこのチームを解散する気はない。

そこに大川組との取引の話が持ち上がった。

刑事はたれ込みがあったとウソをつき、偽物の麻薬を永田に持たせ、大川組から現金を引き出したところで現場に踏み込み、真っ先に永田を射殺。徐々に自分を疑い始めていた相棒の刑事も射殺し、邪魔者を消す。

犯人をわざと逃がし、その犯人が刑事を殺し、金と麻薬も持って逃げたと言う事にし、偽物の麻薬は処分し、金はどこかに隠し、おまけに大手柄まで上げるという計画を立てた。

ところが、土壇場で本当に金と麻薬を持って俣野が逃げてしまったのではないかというのだ。

 

「結局、金と麻薬はそのチンピラが持っているって訳か。なら、そいつがたれ込んだかも知れないだろ」

「俺はたれ込んじゃいねえ。― ってことは、てめえが何もかも仕組んだってことじゃねえか!」

窓際の男はそう叫び、手錠の掛かった手で猪首の男につかみかかった。

「やめろ、こんなでまかせを信じるな」

「うるせえ。ツグオの仇を取ってやるんだ」

 

もみ合っている二人を冷ややかに見ながらツイードの男はボストンバックから拳銃を取り出し、猪首の男のこめかみに突きつけた」。

「おい俣野、もうやめろ。やめろ!」

ツイードの男は窓際の男を引き離し、自分のコートから手錠を取って、猪首の男にかけるように指示をした。

手錠を掛けられた猪首の男のホルスターから拳銃を抜き、自分のボストンバックに投げ入れる。

「これでいい」ツイードの男は緊張の糸が切れたように安堵の表情を浮かべた。

 

ツイードの男は、これから自分が窓際の男を護送し、猪首の男は誰かに引き取りにきてもらうと説明し、若い男を引き寄せた。

若い男は「あいつ、死刑になるか?死刑になるよな?」と涙声でツイードの男に訊ねる。

「分からんよ・・・。しかしならなかったとしても死ぬより厳しい刑になるはずだ。知っているだろう、警官というのは刑務所の中では・・・・」

再び手錠がかけられる音が響く。ツイードの男は信じられないと言った表情で手錠のかかった自分の手首を見下ろした。

「ま、俣野どうして・・・・」

「すまないが、俺は俣野じゃないんだ」

若い男はツイードの男がもっていた拳銃を取り上げた。

 

実はこの若い男も刑事だった。

ツイードの男が振り向くと、猪首の男は後ろ手に手錠をかけられていたはずの手を前に回し、片方にぶら下がった手錠を振り回して見せた。

「あんたをおびき出すための計画だよ」

猪首の男は本当にたった一人で俣野を逮捕していた。しかし先に逮捕されていた仲間同様、リーダーの名前も顔も知らなかった。

でも逆に考えれば、リーダーだって俣野の顔をきちんと知らないという事だ。今までのガサ入れではあと一歩というところでいつも逃げられ、署内に情報を漏らしている者がいるのは明らかだった。

そこで、猪首の男が俣野を逮捕して一人で護送すると署に連絡を入れれば、情報が漏れて、餌に釣られてリーダーが俣野を奪いにやってくるのではないかと考えたのだ。

しかし、本当に俣野を奪われてしまっては話にならないので、たまたま俣野に似ている若い刑事が俣野を演じたと若い男は語った。

 

「何がおかしい」

若い男の得意げな説明を遮って、猪首の男がいった。

ツイードの男はおかしくてたまらないというふうに笑いをこらえている。

「なんとまあ、お茶目な警官もいたもんですね。感服しました」

「ふん、観念したか」

その時、ころころと何かが転がる音がした。

猪首と若い男が揃って下を見ると、後ろからころがってきた円筒から煙がモクモクと吹き出していた。

その転がってきた方向を見ると、労働者風の男が座席から立ち上がるのが見えた。

そう、労働者風の男はツイードの男の仲間だったのだ。

「平田さん、あなたの事は覚えておきますよ」

煙の中、ツイードの男は後ずさり、下半身は煙に消えていく。その時ちょうど列車はホームに到着し、ドアの開く音が聞こえた。

 

ツイードの男が消えた方向に拳銃を向けている若い男を制止し、見張っていろと告げ、猪首の男は後を追ってホームに降り立つ。

その瞬間、猪首の男の太ももに刺すような痛みが走り倒れ込む。

見ると労働者風の男がサイレンサーを付けた銃で狙っていた。急いでゴミ箱の陰まで非難すると、そのすぐ脇を銃弾がかすめていった。

 

ツイードの男は射撃体勢をとったままの労働者風の男の後ろからゆっくりとホームに降り立ち、ゴミ箱の方をみてニヤリと笑った。

「行くぞ」

満足げに労働者風の男の肩を叩き、振り向く。

ツイードの男を、まっすぐに銃口が狙っていた。

 

車掌が言った。

「危険物の持ち込みは困りますね。こちらにいただきましょうか?」

労働者風の男の拳銃がコンクリートに落ちる音が静かなホームに響き渡った。

 

「車掌が犯人てのは聞いた事があるが・・・・」

ツイードの男は首を振りながら言った。

「時代も変わったな」

 

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